月の砂漠をホーリーボルト

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さいなら(8)


 隣町にあった店。ラーメン屋というにはメニューが多すぎ、中華料理屋と呼ぶには丼物が目立ち過ぎる、いわば町の食堂である。

 とくにおいしいわけでもなく、ことさら安いわけでもなかったのだが、年に2〜3回は食事をしに行った。いつも行く店じゃないところで食事をしたいと思ったときにちょうどよい店だった。

 久しぶりに寄ってみようかと思ったら、店が閉まっていた。貼紙にはこう書いてあった。

      お知らせ
この度身体の都合によりお店を閉める
           事になりました。
大変御迷惑をおかけいたします。
長い間皆々様に御利用頂きまして
誠に残念ですが、ほんとうに有難う
御座居ました。      お礼まで
お客様各位へ


 癖の強い筆跡だが、心がこもっている。店を続けたいのにやむをえず閉店する無念さが届いてくる。
 貼紙には常連らしい客が書き込んだ文字もあった。
「おいしかったです。お体をお大事に」といった内容のものが、3件ほどあった。閉店貼紙がちょっとした寄せ書き化している。

 子供の頃からあった店だった。この店があるのが当然の風景と感じていたので、突然なくなってしまい、寂しさで不意を疲れたような気持ちだ。

 この貼紙を見た一週間後に、この店のすぐ近くに引っ越すことになった。もしこの店が残っていれば、いちばん近い飲食店になったはずだった。



| 閉店貼紙 | 06:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
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